40歳からの武道の始めかた、お読み頂きありがとうございます。

 武道の稽古をしていると、時として師範や先輩から、まったく異なる指導、それも180度正反対のアドバイスを受けたりすることがあります。 「そのとき、左手を○○○してください。そう、もうちょっと力抜いていいかな…」 アドバイスに従い、左手に注意して反復練習をする。すると別の先生。 「違う違う。左手が×××しなきゃダメだよ。それ悪い癖が付く前に直せよ」

 このような場面に出会うと、当然「どちらの先生の言うことが正しいのだろう?」という疑問を持つことになります。このときは「どちらの先生も正しい」そして、少なくともその動作(上の例でいえば「左手」の扱い)に限って言えば「これが絶対に正しい、という絶対的、統一的なものは存在しない」と考えて頂いて良いと思います。おそらく先生方はそれぞれに、その方法で体得をしてきたのだろうと思います。

 双方の先生から頂いたアドバイスをもとに、あなたなりに試行錯誤と反復を重ねて、体得をしていけば良いのです。こういうところも武道の面白さだと僕は思います。ちなみに「先生によって考えが違う」ということは、図らずも「その武道種目が、長い年月をかけて多くの人物によって修練され、成熟している」ということの証左だと思いますし、また「健全である」とも言えます。ちなみに「クラシックの声楽の先生」なども、時として正反対のことを言うようです。

 あなたは、あなたなりに悩んで体得をしていきましょう。そして、やがて、あなたも後進の指導をするようになる…。すると後進は、別の人から、あなたとは違うアドバイスを受けて悩む…、と、冒頭のようなループが続くことになるのです。きっと、それで良いのでしょう。

 今回もお読み頂きありがとうございました。


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